な行
無いが極楽知らぬが仏 | ないがごくらく しらぬがほとけ |
無い袖は振れない | ないそでは ふれない |
泣いて育てて笑うてかかれ | ないてそだてて わろうてかかれ |
無い時の辛抱有る時の倹約 | ないときのしんぼう あるときのけんやく |
直きに曲がれる枝 | なおきに まがれるえだ |
直すは一時見るは末代 | なおすはいっとき みるはまつだい |
長い物には巻かれろ | ながいものには まかれろ |
長くば継げ短くば切れ | ながくばつげ みじかくばきれ |
泣く子と地頭には勝たれぬ | なくこと じとうには かたれぬ |
鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす | なくせみよりも なかぬほたるがみをこがす |
鳴く猫鼠捕らず | なくねこ ねずみとらず |
鳴くまで待とう時鳥 | なくまでまとう ほとぎす |
鳴く虫は捕らえられる | なくむしは とらえられる |
仲人は痘痕の数まで数えて来る | なこうどは あばたのかずまで かぞえてくる |
仲人は草鞋千足 | なこうどは わらじせんぞく |
情けに刃向う刃無し | なさけにはむかう やいばなし |
情けの酒より酒屋の酒 | なさけのさけより さかやのさけ |
情けも過ぐれば仇となる | なさけもすぐれば あだとなる |
済しても八百 | なしても はっぴゃく |
情けは人の為ならず | なさけは ひとのためならず |
茄子苗と女は余らぬ | なすびなえと おんなはあまらぬ |
茄子の蔓には胡瓜はならぬ | なすびのつるには きゅうりはならぬ |
為す者は常に成り、行く者は常に至る | なすものはつねになり ゆくものはつねにいたる |
鉈を貸して山を伐られる | なたをかして やまをきられる |
夏の火は嫁に焚かせよ | なつのひは よめにたかせよ |
夏の虫氷を笑う | なつのむし こおりをわらう |
夏は日向を行け、冬は日陰を行け | なつはひなたをゆけ ふゆはひかげをゆけ |
七度探して人を疑え | ななたびさがして ひとをうたがえ |
七つ下がりの雨と四十過ぎの道楽は止まぬ | ななつさがりのあめと しじゅうすぎのどうらくはやまぬ |
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ | なぬかとおるうるしも てにとらねばかぶれぬ |
名の無い星は宵から出る | なのないほしは よいからでる |
鍋の鋳掛けが釣り鐘を請け合ったよう | なべのいかけやが つりがねをうけあったよう |
怠け者の足から鳥が立つ | なまけもののあしから とりがたつ |
生兵法は大怪我の基 | なまびょうほうは おおけがのもと |
生物知り地獄に落ちる | なまものしり じごくにおちる |
波にも磯にも着かず | なみにも いそにもつかず |
蛞蝓にも角がある | なめくじにも つのがある |
成らぬ堪忍するが堪忍 | ならぬかんにん するがかんにん |
慣れぬ米商いより慣れた糠商い | なれぬこめあきないより なれたぬかあつかい |
縄にも杓子にも掛からぬ | なわにも しゃくしにも かからぬ |
名を取るより徳を取れ | なをとるより とくをとれ |
名を盗むは貨を盗むに如かず | なをぬすむは かをぬすむにしかず |
何でも来いに名人なし | なんでもこいに めいじんなし |
難に臨んで兵を鋳る | なんにのぞんで へいをいる |
似合わぬ僧の腕立て | にあわぬ そうのうでたて |
贄食い坊主の布施好み | にえくいぼうずの ふせごのみ |
煮え湯を飲ませる | にえゆを のまされる |
逃がした魚は大きい | にがしたさかなは おおきい |
苦瓢にも取り柄あり | にがひさごにも とりえあり |
握り拳の素戻り | にぎりこぶしの すもどり |
握れば拳開けば掌 | にぎればこぶし ひらけばてのひら |
憎い憎いは可愛の裏 | にくいにくいは かわいのうら |
憎き鷹へは餌を飼え | にくきたかへは えをかえ |
憎まれ子世に憚る | にくまれご よにはばかる |
逃ぐる魚を恵比寿に参らする | にぐるうおを えびすにまいらする |
錦は雑巾にならぬ | にしきは ぞうきんにならぬ |
逃げるが勝 | にげるが かち |
西と言うたら東と悟れ | にしというたら ひがしとさとれ |
二度あることは三度ある | にどあることは さんどある |
二度聞いて一度物言え | にどきいて いちどものいえ |
二兎を追う者は一兎も(を)得ず | にとをおうものは いっとも(を)えず |
二八余りは人の瀬越し | にはちあまりは ひとのせごし |
二番目の考えあが最善である | にばんめのかんがえが さいぜんである |
女房と味噌は古いほど良い | にょうぼうとみそは ふるいほどよい |
女房は質に置いても朝酒は止められぬ | にょうぼうは しちにおいても あさざけはやめられぬ |
俄か長者は俄か乞食 | にわかちょうじゃは にわかこじき |
任重くして道遠し | にんおもくして みちとおし |
人界は七苦八難 | にんがいは しちくはちなん |
人参よく人を活かし、よく人を殺す | にんじんよくひとをいかし よくひとをころす |
抜かぬ太刀の高名 | ぬかぬたちの こうみょう |
糠の中で米粒探す | ぬかのなかで こめつぶさがす |
糠を舐りて米に及ぶ | ぬかをねぶりて こめにおよぶ |
盗人が犬に食われた | ぬすびとが いぬにくわれた |
盗人に鍵を預ける | ぬすびとに かぎをあずける |
盗人逃げての向こう鉢巻き | ぬすびとにげての むこうはちまき |
盗人を捕えて見れば我が子なり | ぬすびとを とらえてみれば わがこなり |
濡れ衣を着せる | ぬれぐぬを きせる |
根ある樹に花実付く | ねあるきに はなみつく |
寝入る小僧に粥掛くる | ねいるこぞうに かゆかくる |
根がなくとも花は咲く | ねがなくとも はなはさく |
猫の前の鼠の昼寝 | ねこのまえの ねずみのひるね |
猫も跨いで通る | ねこも またいで とおる |
寝ていて餅食えば目に粉が入る | ねていて もちくえば めにこながはいる |
鼠の空死に | ねずみの そらじに |
鼠は社に憑りて貴し | ねずみは やしろによりて たっとし |
熱しても悪木の陰に息わず | ねっしても あくぼくの かげにいこわず |
熱し易いものは冷め易い | ねっしやすいものは さめやすい |
寝れば一畳起きれば半畳 | ねればいちじょう おきればはんじょう |
念力岩を徹す | ねんりき いわをとおす |
脳ある鷹は爪を隠す | のうあるたかは つめをかくす |
能書きの読めぬ所に効き目あり | のうがきの よめぬところに ききめあり |
能なし犬は昼吠える | のうなしいぬは ひるほえる |
脳無しの口叩き | のうなしの くちたたき |
退けば長者が二人 | のけば ちょうじゃがふたり |
後の百より今五十 | のちのひゃくより いまごじゅう |
喉元過ぎれば熱さを忘れる | のどもとすぎれば あつさをわすれる |
上り一日下り一時 | のぼりいちにち くだりいっとき |
暖簾に腕押し | のれんに うでおし |