日本三大

 13  三大毒生物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒョウモンダコ(豹紋蛸)
マダコ亜目 マダコ科 ヒョウモンダコ属に属する4種類のタコの総称。日本ではその中の一種Hapalochlaena fasciata を指す場合が多い。小型だが唾液に猛毒のテトロドトキシンを含むことで知られ、危険なタコとされる。
体長は10cmほどの小型のタコである。他のタコと同様に体色をすばやく変化させることができ、周囲の岩や海藻にカモフラージュするが、刺激を受けると青い輪や線の模様のある明るい黄色に変化する。この模様がヒョウ柄を思わせることからこの和名がついた。
日本からオーストラリアにかけての西太平洋熱帯域・亜熱帯域に分布し、浅い海の岩礁、サンゴ礁、砂礫底に生息する。
他のタコ同様に肉食性で、カニやエビを捕食するが、捕まえられるならば魚類も食べる。なお、野生では観察されたことはないが、実験室では共食いする。人間でさえ、触られたり近づかれたりした場合は噛み付くことがある。
オスとメスが出会うと、オスはメスの外套膜をつかみ、精子嚢を渡すための交接腕を外套膜腔に何度も挿入する。交尾はメスの中に十分に精子嚢が入るまで続く。秋の終わりごろメスは一生に一度だけ50個程の卵を産む。卵が生まれるとすぐにメスは触手で抱える。この状態が6ヶ月間続き、この間メスは食料を取らず、卵が孵化するとメスは死ぬ。幼生は次の年には成長し交尾ができるようになる。
ヒョウモンダコの唾液には強力な神経毒であるテトロドトキシンが含まれ、人間でも噛まれると危険である。
 
アンボイナガイ
イモガイの一種。インド洋・太平洋一円に生息。その毒性で知られる。他のイモガイ属よりも一際幅広く出っ張った体の中央部と平坦な殻の螺旋を持つ。貝殻は他の近い大きさのイモガイと較べて薄く軽い。殻の色は明るい灰色から帯褐色、中には赤みがかったまだら模様のものもある。
アンボイナという名前は、近海に本種が多産するとされるインドネシアの港湾都市アンボンに由来する。 アンボイナガイは猛毒を持っていることで有名である。毒は神経毒で、呼吸まひなどを引き起こす。これまでに日本では、10数例のアンボイナ刺傷による死亡が確認されている。沖縄では特に本種被害が多く、「ハブガイ」と呼ばれて恐れられている。
貝殻は大変美しいため、採集して袋に入れようとして刺されてしまう事例が多い。その人の体質によっても異なるが、数時間程度で死にいたる例もある。アンボイナは、銛状の歯舌を突き刺すことによって、毒を注入する。この毒は、本来は魚を捕らえるためのものであり、毒で魚を動けなくした後に、口先を大きく広げて丸ごと飲み込んでしまう。イモガイ属の中でも最強の毒性を有し、その毒は、全生物中でも最強クラスとされる。イモガイ類の猛毒に関しては、血清も存在しないため、少なくとも30人のダイバーがこの毒針に含まれるコノトキシンという物質で死亡している。
 
スベスベマンジュウガニ(滑々饅頭蟹 )
エビ目・カニ下目・オウギガニ科・マンジュウガニ属 に分類されるカニ。有毒種。
甲長3.5cm、甲幅5cmほどの小型のカニで、インド洋から西太平洋に分布し、日本では千葉県から沖縄県にかけての太平洋岸の岩礁海岸とサンゴ礁の潮干帯から水深100mまでに生息する。あまりすばやく逃げないので磯遊びなどで見かける機会もある。名のとおり甲は突起物が目立たず全体に滑らかで、丸みを帯びている。体色は赤褐色から紫褐色。灰白色の斑紋がある。鋏の先は黒い。海藻、貝類、ゴカイなどを食べる。
本種は有毒ガニであり食べられない。これまでにこのカニから検出された毒成分には、麻痺性貝毒(PSP)の成分のゴニオトキシン、サキシトキシン、ネオサキシトキシン、フグ毒 (TTX) のテトロドトキシンがあり、生息地によって成分の構成比、毒量が大きく異なる。
 

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