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飯ケ岳(山口県)

2008年10月20日
下松より写真が届きましたので、投稿します。

ご主人のコメント

昨日、西中国山地西端の山口県の山・飯ケ岳(937m)に登って来ました。
お目当てはこの山の渓谷・滑川の水際に群生するナメラダイモンジソウの花を見ることでした。
以前から先週の日曜日を予定していたのですが、都合があって1週間遅れとなりました。
そのため、花は盛りを過ぎていたが残り花が一部で見られました。
飯ケ岳は県下最大の国有林で、鎌倉時代に僧重源が東大寺再建の用材としてスギ、松等の巨木を切り出したことで有名です。
戦後は滑松が錦帯橋(昭和40年の修理)や皇居新宮殿(昭和42〜43年)の用材に使われたそうです。
今でもブナ、モミ、滑松等の巨木が保護されている自然林です。
私がこの山に初めて登った20年位前は、林床は背丈ほどの熊笹に覆われていて山道らしきものは無く、悪戦苦闘の末に辿り着いた山頂も樹林に覆われて藪山だった記憶がいまでも鮮明です。
それが近年、国民の健康活動のため国有林の一般解放化の方針、さらには地域活性化事業の一貫として林野庁、旧徳地町が立派な登山ルートを開設しました。
この為に以前の藪山は一変し山頂も素晴らしい展望となり、ハイキングコースとして多くの人が訪れるようになりまた。
登山口近くの渓流沿いには林野庁選定の「森の巨人たち百選」の三本杉、山腹には天を突くように真っ直ぐ伸びた滑松、山頂近くにはブナ等の広葉樹林等がありハイカーを楽しませてくれます。
この日も、北九州からの女性ばかりの18名と女性主体15名の二組のパーティが、山頂で昼食をしていたら登って来られた。
狭い山頂は一気に私たちを入れて35名の人で溢れ、座り場もないほどになってしまいました。
黄葉には未だ少し早かったが、ブナ等も色づき初めていてけっこう楽しい山行でした。

以下参考までに。
1、ナメラダイモンジソウ
中部地方以西、四国及び九州の山地の渓流沿いに自生。
滑川で最初に発見されたことから滑ダイモンジソウと命名。
特徴は葉の切れ込みが深くてカエデのような形をしている。
2、三本杉(説明版から抜粋)
推定樹齢300年の天然木。
平安時代末期、源平の戦で消失(1180年)した東大寺の再建用材を伐り出した地がここ滑山国有林。
毛利時代に芽を吹き、三本の杉が寄り添うように生長。
毛利時代の産物として歴史的な価値から、先代が貴重な財産として唯一残したもので「三本杉」と呼ばれ親しまれている。
3、滑松(説明版から抜粋)
樹齢200年以上のアカマツの通称。
特徴
@材が通直でうらごけが少ない
A枝下が高く枝が少ない
B樹皮が極めて薄い
C年輪が均等で直円である
D辺材(白太)が少ない
E心材(赤味)の部分が多く、赤色鮮明で光沢に富む


 ツルシキミの実(実は有毒)  
ナメラダイモンジソウ (1)   
 ナメラダイモンジソウ  
 黄葉に向けて色付き始めたブナの巨木  
 広葉樹林帯の滑松  
 広葉樹林帯の滑松 (1)  
 三本杉(森の巨人たち百選)  
 真っ直ぐに伸びた滑松  
 登山者で賑わう飯ケ岳山頂  
 登路のブナ  
 登路の沢  


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