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津和野 その2

2010年11月23日

下松からの写真です。
これは、昨日届いたものです。

ご主人のコメント
JR津和野駅の西方近くに覚皇山永明寺と乙女峠があります。
殿町通りから歩いて永明寺の参道に向かって歩を進めました。
この寺は歴代津和野藩主の菩提寺で、参道から静寂な雰囲気が漂う古刹でした。

山門を潜ると広い境内で、広島から来たと言われる数人のグループが山門を主題に後方の紅葉を取り入れた絵を描いておられました。

境内から永明寺の本殿を見上げると、屋根が萱葺きであるのには驚きました。
かなり年月を経ていると思われる萱葺きであり、近い将来に屋根の葺き替えが必要であろうと思われます。
白川郷等の萱葺き屋根は、葺き替えに際して萱の確保が大変だとテレビで見たことがあります。
普通の民家と違って大規模な建築物であり、葺き替えに対して多量の萱を必要とするこでしょう。
萱を準備するのが大変だろうと、ついつい余計な心配をしてしまいました。

広い永明寺の境内には古い多くの墓があり、その中から森鴎外の墓は容易に見つけることが出来たが、坂崎出羽守の墓を見付けるのには時間を要しまし た。
出羽守の墓は大規模な墓石だと想像していたが、他の藩主の墓に比べて案外小規模でした。

永明寺の参道のすぐ近くの蕪坂峠に向かう山道を登って行くと、左手に殉教者の墓地である仙人塚が見えてきました。
ここから乙女峠に向かって殉教の道行きがありました。
本来は乙女峠から仙人塚に歩を進めるのが本来の道行きでしょうが、今回は逆に乙女峠に向かって歩きました。
途中にキリストの教えの石碑が点々と立っていました。

乙女峠のマリア聖堂にお参りして津和野駅方面に向かって坂道を下って行くと、津和野駅構内にSL山口号が今シーズン最後の運転を控えて待機してい ました。

時間も余裕が無くなったので急いで太鼓谷稲荷神社へ向かい、朱色の鳥居のトンネルの階段を登りました。
稲荷神社に参拝後、車道を経て車を置いている駐車場に降りました。
駐車場に着いたら既に3時半前であり、青野山には到底登れるような状況では無くすぐに帰ることにしました。
JR徳佐駅付近の線路脇の道で、多くの人が三脚にカメラを置いて線路を眺めていました。
間もなくSL山口号がやって来るとのことなので、私も仲間に入って写真を撮ることにしました。
幸運にもSL山口号の写真が撮れ、拾い物をしたような気分でした。
津和野では奴行列にも出くわすことができ、今回の津和野行きはほんとに満足のいく一日でした。

参考までに(現地説明版より)

乙女峠について
この乙女峠には明治初年まで光琳寺という寺がありました。明治元年から六年まで百五十三人の長崎浦上カトリック信者が信仰のためにこの寺に収容されました。彼等は戦国時代の信者の子孫であってその信仰をひそかに守っていたのです。
全国各地にお預けとなった者のうち津和野に流された彼等は四年の間信仰を改めるようにと此処で筆舌に尽くせぬ辛酸をなめさせられました。信仰を忠実に守り通した信者の中には困難な生活と残酷な拷問のために殉教の死を遂げた者が三十六人ありました。彼等のうち一人安太郎は三尺牢に入れられそこで 御母聖母マリアの出現を賜って死の前に強められ励まされたのであります。
明治六年には宗教の自由が宣言され生き残った者は長崎に帰りました。

今回、永明寺とそれ以後に撮った写真を送ります。
   覚皇山永明寺の参道入口。  
   覚皇山永明寺の参道の紅葉。  
  覚皇山永明寺:藁葺き屋根の本堂(石見における宗洞宗の古刹)。   
   覚皇山永明寺 (1)  
   覚皇山永明寺 (2)  
  覚皇山永明寺の庭園。   
   覚皇山永明寺:境内に森鴎外の墓。  
   覚皇山永明寺:境内に悲恋の武将・坂崎出羽守(大阪城落城の折に千姫を救出、自らは顔に大火傷。初代津和野藩の藩主)の墓。  
   乙女峠:マリア像:明治維新後、この地に幽閉され改修を迫られた長崎浦上の隠れキリシタン36名が殉教。  
   乙女峠:マリア像。 (1)  
   乙女峠マリア聖堂:キリシタン受難事件に心を痛めたドイツ人神父ネーベルによって建てられ、受難の歴史を今に伝える  
   乙女峠マリア聖堂  
   乙女峠から千人塚・殉教者の墓までの十字架の道行き(600m)。道脇にはキリストの教えを説いた石碑が間隔をおいて点々と14基。  
   千人塚:殉教者の墓  
   稲荷神社参道入口付近の津和野川河岸にて。  
   太鼓谷稲荷神社参道:奉納された1200本にもなる朱の鳥居がトンネルの如く立ち並んでいる。  
   太鼓谷稲荷神社本堂。  
   太鼓谷稲荷神社本堂。  
   太鼓谷稲荷神社。  
   今シーズン最後の運転を前にしてJR津和野駅構内で待機していたSL山口号  
   新山口駅に向って走る今シーズン最後のSL山口号(JR徳佐駅付近にて)。  


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